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『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』について

奇跡のリンゴ、という言葉は、
ちらほら耳にしていた。

でも、具体的にどーゆーものかは知らず、
知りたいなと思ったのは、
高野誠鮮さんの『ローマ法王に米を食べさせた男』
紹介されていたのが、きっかけだ。

それで、本を入手し、読み出したのだが、
いやー・・・すごい。
すごいとしかいいようがない。

腐人はここのところ、コンテンツの未来について
いろいろ考えてはいるが、
まだまだ沈思も努力も足らないなぁ・・・と反省した。

でも、ここまでは無理・・・(;一_一)


とりあえず、最初にカウントしときましょーかね。
(1076)一般本 『奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録』 石川拓治


木村さんが、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で
紹介されたのが2006年。

テレビをご覧になられた方は、内容をご存知かもしれませんが、
すごくざっくりまとめると、こんなかんじ。


リンゴってのは、原種はコーカサスなんだそうで、
それは、ちっこくて固くてすっぱくて、ってなやつらしい。

そこからヨーロッパ、アメリカを経て、
品種改良されたものが、明治の頃、日本にやってきた。

その後、農薬や肥料を使って栽培することを軸に、
リンゴの栽培方法ってのが、広く浸透していった。

ここ、腐人みたいに農業と縁遠い人には
よくわからなかったんですが、
この農薬を使うか使わないかは、
ものすごく大きなターニングポイントなんだそうで、
農業の考え方が、
異次元といっていいほど、根っこから違うらしい。

詳しくは本書読んでください。
腐人は、目から鱗が落ちました。


で。
木村さんは、そんな慣行栽培(農薬や肥料をつかう一般的な農法)で
リンゴ栽培をやっている農家の次男に生まれ、
いったんは集団就職でサラリーマンをやるが、
その後、諸々あって、リンゴ農家に婿入りする。

最初は、従来どおりの農薬や肥料を使った栽培をしていたが、
奥さんが農薬に弱い体質で、
農薬散布作業をすると1週間寝込んでしまうそうで、
なんかええ方法ないかなーと、いろいろ模索されてたときに、
福岡正信さんの書かれた1冊の本と出会う。

そこから自然農法への挑戦がはじまり、
筆舌に尽くしがたい艱難辛苦を乗り越え、
絶対に不可能だといわれたリンゴの自然栽培に成功する。

その過程で、どんだけ苦労されたか、
どんだけ支えてくれる人もいたか、
なにがきっかけになったか、
などなど詳しく書いてあるので、
ご興味ある方は、本書をどうぞ。


でまー、自然農法に挑戦されてから20年以上が経過した今、
木村さんの奇跡のリンゴが欲しくても、
買うことはできないらしい。

オフィシャルホームページによると、
本当にどん底だった頃から応援してくださってる方も含めると
数千人の方が顧客でいらっしゃるそうなんだが、
収穫数が限られているため、
こういった方々にすら行き渡ってない状態なので、
新規の方は受け付けられないとのこと。

ま、そらそだわな。
本当に苦しかったとき支えてくれた
古くからのおなじみさんこそを大事にすべし、
で、人としても、商売としても、正しい。

それに、「えーじゃぁ食べられないのー(~з~)」
なんて言う必要はなく、ちゃんとフォローがしてある。

木村さんは日本全国どころか世界まで、
自分の経験や手法を、惜しみなく教授し、
さまざまな講演活動を行っているため、
同じ自然栽培でつくった方のネットワークがあるのね。

だから、そのオフィシャルホームページに問い合わせれば
木村さんの、ではないけれど、
同じ自然栽培農法で作ったリンゴを
買える方法を教えてくれるそうなのだ。

ほほう。

で、それを是非とも応援してくれ、とある。

ってのも、そこにも書かれているが、
自然栽培は、切り替えてすぐに美味しいものが
わんさと収穫できるわけではない。

安定した品質のものができるまでには、
今まで農薬や肥料になれてきた土地や植物そのものを
変えていかなきゃならんので、
ものすごく時間がかかるそうなのだ。

そのため、自然栽培に切り替えた農家の方々は、
軌道にのるまで、金銭的に苦労されるらしい。


だったら、高く売ったらば?とか、
腐人は思っちゃうんだが、
木村さんは、このすごく手間暇のかかる無農薬のリンゴを
農薬使ったリンゴと同じ値段で販売する。

1個1000円とかゆったって売れるだろうに。

なんでそういうことをするのかというと、
木村さんが目指しているのは、自分の利益ではないから。

「もし、無農薬のと農薬のが、同じ値段なら
 消費者は無農薬を買うよね。
 そうしたら、農家が無農薬での栽培をやりだすだろう。
 それが大事なんだ」
とおっしゃる。

でも、その切り替えには、
木村さんご自身が体験したほどの苦労には及ばなくても、
大きな苦労がある。

だから、途中でくじけないよう応援して、
ということらしい。
※腐人解釈ですが。


それにしても、なんでそんな時間がかかるのか
っちゅーのをもう少し掘り下げると、
それまで農薬や肥料をまいてた田畑では
植物は根をのばさずとも栄養がもらえるので、
自分たちでなんとかしようとする力が
欠けているからなんだそう。

その例えとして、
「農薬や肥料を与えられるのは
 運動もろくにしないのに
 食べ物ばかり豊富に与えられる子供」

という表現をされてるんだが、
あまりの的確さに、ひやっとするものがある。

傷つけられないように、
大事に大事に甘やかされた子供が
競争社会にポンッとほうりだされたら、
その打たれ弱さの結果、すぐにダメになる・・・
なんか、今の若者像と思いきりかぶってこないか?

いかん、話がずれてきたが、
要は、そんな感じで、切り替えて数年は、
思うように収穫ができないらしいのだ。

そゆことなら、買おうかな。
今、リンゴはまってるし。

っても、ジャムづくりなんですが、
リンゴが自分の力だけでみのらせた果実というものが
どんなもんだか食べてみたい。


それにしても、この根っこの話、
土の下に、根っこがどれだけ伸ばせるか、
これが重要だとあるのだが、
これ、人も同じだと、腐人はつくづく思う。


そう・・・これさ、農業の本ではあるんだが、
なかね、腐人には、ものすごく哲学の書みたいな印象がある。


例えば最後に、こうある
(っても、記憶だよりなんで、正しくは本書よんでー!)。

「文明がどんだけ発達しても
 人は何かを食べないと生きていけない。 
 そう考えれば、人は植物の寄生虫であり、
 農業は人命を支える根っこだ」


なんかね、最近、コンテンツ論とか、
ネットデジタル社会や富裕層への税金などを考えてて、
ふと思うのよ。

ああ、これ、『イワンのばか』だなーって。

この話、大人になって読むと、
ものすごく深いものを内包してて、
背筋が寒くなるんですが、
このお話のラストにね、
悪魔の親玉が、イワンをたぶらかそうとやってくる話があるんですよ。

イワンは自分は農夫だから、といって、
王様になっても、田畑を耕す毎日を送ってて、
そこにやってきた親玉が、
「もっと頭を使って働きなさい。
 その方が、ずっと楽にたくさん稼げますよ」
ってなことを言う。

イワンは、なら、その方法をぜひ国民に教えてやってくれ、
といって、広場にかなりの高さのある演台をつくり、
そこで親玉に話をさせる。

親玉は、こうすればもうかる、こうやれば楽できる、と、
ずーっと話をするんだが、
イワンも国民も、「働く」ってのは、
「自分たちが食べたり着たりするものを作る」って思ってるから、
親玉の言葉を額面どおりにうけとめていて、
この親玉が、いつになったら、どうやって頭で食べるものをつくるのか、
そこしか興味がない。

あったりまえだが、そんなことは不可能で、
でも、イワンも国民も、
親玉はいずれ頭から食べるものや飲むものをつくるんだろうと、
なんの差し入れもしないまま、ずーっとしゃべらせる。

何日目だったか忘れたが、
飲まず食わずでしゃべりつづけた親玉もとうとう力つき、
高いハシゴの上にある演台で、ふらふらよろけだし、
最後は、頭から階段落ちし、土の中に消える。

その落ちる様をみたイワンは、
「頭をつかって働くって、痛そうだな。
 おれにゃー無理だ」
とゆーんだが、
この寓話、ものすごく現代を象徴してるよーにみえるのは
腐人だけか?


人はものを食わなければ死ぬ。

とても単純なことなのだが、
その食べるものにどれだけ関心をもってるだろう。

皆が皆、悪魔の親玉であることを選んでいったら、
人は、いったい何を食べるのか。

なーんかなー、
最近、このことがすごく気になってしかたない。


腐人は八百屋と本屋にいくと
アドレナリンがどばーっと出る人なんだが、
実は、お高い有機栽培の野菜って嫌いだ。

なんか、イヤ。
オサレーなライフスタイルの押しつけみたいで、
ロハスとかも大嫌いなのよ。


でも、木村さんの農業に対する姿勢や考えには、
すごく納得がいくもんがあるので、
もし、自然栽培の野菜が、他のと同じ値段で売られてたら、
形がブサイクでも、多少よれてても、
これからは、それを買おうと思う。

問題は、流通販売ルートだよな・・・。

ホント、『ローマ法王』の高野さんじゃないが、
農家が自分で価格をきめて、直接売る、
そうなってかざるをえないのかなと思う。


にしても、本書のなかで、
研究者と百姓について書いてあるとこがあるんだが、
百姓って、すごい。

これはDASH村の三瓶明雄さんみてても
常々思っていたが、
経験に裏づけされた知識の広さと深さは、
本当にすごい。

なんつか、これから先、衰退してく日本で生きて行くのに
一番必要なものは、これなんじゃなかろうか。


木村さんは取材や講演活動で、
本業の農業にも支障が生じるほどに
なっているらしい。

でも、できれば、その知恵と知識と、なによりもその生き様を
これからの子供たちに教えてってほしいなぁ・・・。

ホント、いい本でした。


以下、読書録。

●5日
(1077)BL/キャラ 『鬼の接吻』 高岡ミズミ
  鬼かー。

  基本的に、生きてる人間ほど恐ろしいもんはないと思うンで、
  イマイチこーゆー怖さってわからない。

  とはいえ、
  広げようと思えば広がりそうな話なだけに
  なんかもったいないなぁと思わなくもない。

  でも、広げるならもちっと基礎固めた方がよさげだが。

  どーでもいいが、渡部のオヤジギャグといえばいいのか、
  あれがほとんどわかってしまうあたりが
  なんか悲しい・・・(-_-;)  

(1078)BL/リンクス 『瑠璃国正伝 3』 谷崎泉
  最後は駆け足でしたな、確かに。

  1巻あたりを思うと、どんだけ壮大な大河ドラマ?
  って感じだったが。

  個人的には、こーゆーの読むとつくづく思うンだが、
  立場がある人ってさ、
  結局のところ、一番の任務は、
  種馬であり、生きてる子宮として跡継ぎを産むこと、
  なんだよな。

  ま、その代償として、
  優雅な生活と高い身分がもらえるのかもしれんが、
  腐人は願いさげだなぁと、某王室の妊娠報道みて思った。
  ・・・って誰も腐人に頼まんて・・・。

  ま、自分の目指すところが、
  セレブ婚であり、身分のある子を産むことならいいんだろうが、
  腐人は、自分がしたいときに、したいことを、
  したいようにできるほうがいいわ。

  好きなときにBL読めない生活なんて!
  生きてる意味ないもん!!

  っても、この報道と前後して流れた北欧王室にはいった
  元シングルマザーの現皇太子妃は、
  友人のゲイカップルの子どもの面倒を見に
  インドにいったりもしてるから、
  お国柄なのかもしれないけどね。

  そーゆー意味では疾風のが居心地よさげだが、
  メシがまずいなら、却下したい。
  
  やっぱ、メシがうまくて、
  ウォッシュレットがあるのがいいよね!
  ・・・って、なんの話や・・・。

  
[ 2012/12/06 ] 腹黒読書 | TB(-) | CM(-)

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