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氷室冴子さんについて

作家論をやるならば、
著作全部を読破してからが当たり前・・・
と思ってるんですが、
すんません、読破率8~9割でやらせてもらいます。

だって!
氷室さんの古いの、
今じゃ、入手すんのが大変なんだもん!!


あ、その前に、ちょいと叫ばせてください。

Holly NOVELS 木原音瀬『リバーズエンド』
マーブルコミックス 木原音瀬&小椋ムク『キャッスルマンゴー2』って
発売いつやねーん!!!

一部情報では9/11となっとったから、
えんやらおっちらお百度踏んどったのに、
今日になってもない!
なんでじゃ!
  ↑
 そら、10日やからやないか?



店員さんに訊いたら、
「延期になりました。発売日は未定」

オーッ!ノーッ!
・・・斧?
じゃなくて!

ご納得いくもんを出してもらうほうがええんで、
延期はええんです。

困るんは、「未定」。
こいつじゃこいつ!

おおよそでも日程だしてくれんと、
特攻かける計画がたてられんじゃないか!
  ↑
 ・・・だから日程ださんのでは?


ううううう・・・
どうも次の狙い目は月末くさい・・・。
ここで出るか、さらに延びるかはわかりませんが、
目処がたったところで、
告知をよろしくお願いいたしますー!!

特攻→玉砕の日々も、続くとつらいもんで・・・(/_;)。


さて、氷室冴子さんのお話だ。

腐人はさ、氷室さんの功績って、
もっと称えられていいもんだと思うんだ。

はっきりいって、昨今売れ筋の本を出す作家さんって、
軒並み、ラノベで経験を積んでいる。

そのラノベというもんの存在を、
ここまでの市場規模まで持ってった先駆者こそが、
腐人は氷室冴子さんだと思ってる。

まぁ、氷室さんご自身は、
晩年、あまり執筆なさっていなかったが、
その氷室さんの薫陶に預かり、多大な影響をうけた子等が
作家となって、ラノベ業界を広げていったわけだから
腐人はラノベについて語る場合、
氷室冴子さんの存在なくして語ってはいかんと思うのだ。

・・・って、ラノベ、ラノベと腐人は連呼してますが、
どうやら昨今の教育者がもつ「ラノベ」像は、
「エロ・ポルノ」認定らしい・・・。

え?そーなの??

腐人はてっきり、
「中高生向けのエンターテイメント小説」が
ラノベ、ライトノベルだと思ってたんだが、
違うのか!?

・・・まー、さすがにもう読めなくなって、
2、3のシリーズ除いて、卒業宣言したから
現状どーなってんだかよくわかんねぇけど・・・。

まぁ、教育界や、今のラノベラインナップはともかく、
今ココで言わせてもらうのは、
「ラノベ=中高生向けのエンターテイメント小説」
ってことで、よろしく。


少女小説の源流は、恐らく吉屋信子さんだと思う。
・・・すんません・・・(-_-;)
腐人は吉屋さんは未読です・・・。

そこから氷室さんらが時代にあった少女小説を書き、
それを読み、影響をうけた作家たちが
今のラノベやBLをうみだした。

というこの図は、
作家さんの年齢が30歳以上ぐらいなら
確実にあてはまるかと思います。

それ以下の場合は、
その氷室さんに影響をうけた作家さんが書いたものに
影響をうけた・・・レベルかな?
ゆーなりゃ、孫弟子?

この系図をみていて、氷室さんたちのところで
一番大きく変わったのは、

・作品の暗から明への変化
・キャラクターに対する読者の親近感
・文体の軽妙さ

じゃないかなぁ。

氷室さんもさ、超初期作品の
『さようならアルルカン』なんかでは、
やっぱりその当時のジュニア小説の風潮

・奪われる性としてある「女」
・少女から女性への変化における悲哀
 (さようなら、何も知らない少女だったワタシ・・・
  みたいな感じ?)

みたいのが書いてあったんだけど、
『クララ白書』で、大きく変貌を遂げる。

この読者にしてみたら、等身大の私、のような
「しーの」というキャラクターの存在が、
これまで、
「ブンガク少女」みたいな連中しか読んでこなかった
少女小説を、大きく変貌させたと、
腐人はみている。

まーかくゆー腐人自身も、
『クララ白書』『アグネス白書』は大好きで
小説はもちろんマンガまで、
暗記するほどよみあさったが、
『白い少女たち』
『さようならアルルカン』は、
一読しかしとらんもん。


そんな氷室さんが、
他のラノベ作家さんたちと一味違ったのは、
古典文学への傾倒だろうか。

昨今、マンガも小説も、
骨太な歴史ものがあまりにも少ない気がする。

まぁ、この点については、
先駆者たちにやられすぎちゃった
ってな同情すべき点があるにはあるし、
今はそこまでゆっくり資料をあたって調べてから描く
なんてのが許されるような余裕がない
ってのもあるのかもしれない。

でも、例えば、石ノ森章太郎さんの『009』なんかみてっと、
カレワラや北欧神話への造詣の深さが
作品読んでるだけで伝わってくるんだよな。

それが、昨今の作家にはあまり感じられない。

これはとってももったいないなぁと思うんだが、
この石ノ森さんに感じたのと同じことを
腐人は、氷室さんの古典題材に対して感じていた。

だから、氷室さんの逝去とともに、
もう『じゃぱねすく』『銀の海 金の大地』のような
古典をアレンジしたものが読めなくなるのが
すごく惜しいと思う。

ってのもさ、
腐人の周囲では、これで歴史や古典が好きになり、
将来の道にまで影響したメンツが山ほどいるのよ。

ま、それがよかったんだか
悪かったんだかはわからんが・・・(;一_一)


まぁ、古典ったってさ、
古語連発でお話進められたら、
恐らく読めなかったか、途中で放り出したろうが、
氷室さんの手にかかると、
全く抵抗なく読めるようになっちゃうという不思議。

その才能は、本当に秀逸だったとしか言いようがない。

今回、『月の輝く夜に』を読んだんだが、
この表題の「月の輝く夜に」を読むと、
心底、その才能に恐れ入る。

平安の世における、恋愛や政略を描きながらも、
いつの世も変わらない、
普遍的な人の愛憎を
やるせない切なさを漂わせながら描ききる。

うーむ・・・すげぇ・・・。

これがまた今市子さんの挿絵っちゅーハマりもんで。
有実の目元のシワが!!
ああ、なんていい・・・

かと思えば、腐人はこれコバルト文庫判で読みましたが
一緒に収録されてる「ざ・ちぇんじ!」の軽妙なこと。

平安時代に、ホモはなかろう・・・
とかゆーツッコミも、棚上げにしたくなるほど、
気持ちいいスピードでお話が進む。

腐人は病膏肓に入っちゃってる部類なので、
これについては、山内直美さんの絵が、
一コマ一コマ浮かんでくる。

そうなんだよなー、
このラノベをメディアミックスしやすいものにした
ってのも、
氷室さんの功績だと思うんだよねー。

でも、これね、
ちゃんと平安当時の風習が押さえてあって、
腐人らは、教科書ではなく、これを読むことで、
平安時代ってもんを理解していた。

だから、こーゆーの読んでた子らは
「半蔀」「几帳」「脇息」などがどういうもんか
勉強せんとも知っとったんですわ。

今のラノベにそーゆーのあっか?
腐人はちょっとそこら厳しいこと言いたいぞ!


「少女小説家を殺せ!」は、
まー・・・氷室さんの売れるまでの苦労が
反映されたシリーズだよなぁ・・・。
「雑居時代」もその匂いあるが。

この、自分で自分を笑える強さが、
今思えば、腐人の人格形成に
少なからず影響してるよーな気がする・・・(ーー;)。

そんくらい強烈だったんだよなぁ・・・。


で、腐人待望の
「クララ白書 番外編 お姉さまたちの日々」

収録してくださったのは、
天にも昇る心地で嬉しさ爆発なんだが、
一個だけ文句いってもいい?

なんで!!
渡辺多恵子さんの挿絵がないねん!!!


まぁ、いろいろ差し障ったんかもしれませんが、
これね、当時は『なぎさボーイ』をやってて、
そこで渡辺多恵子さんに挿絵してもらってた関係か、
雑誌掲載時には、渡辺さんの、
しのちゃんと虹子女史の挿絵があったのじゃ!

遠景ですけどな。
でも、ものごっついその雰囲気を掴んでて、
腐人は好きだったのよー(ToT)

だったらコバルトおいとけよ・・・ってな話だが、
それは引っ越ししまくり移住民族には無理な話。


今が初読ならば、
「でぃすこ?」とか思うのかもしれませんが、
腐人としては、ただただ懐かしい・・・。

腐人も女子校だったもんで、
あのクララやアグネスのもつ雰囲気って、
すげーわかるんだもん!

なんかね、自分自身の学生生活は
さして面白みがあったわけじゃなかったもんで、
記憶の中で、
このクララやアグネスの日々が、
自分の実体験と刷り変わってるよーな気がするなぁ・・・。

そんくらいね、
しーのたちは読者にとって身近な等身大の存在だった。


今、改めて氷室さんの作品に触れ、
もうこれから先、どれだけ待っても
氷室さんが新しく紡ぎだす物語に出会えないことが
本当に悲しい。

昨今のブンガクショーやらブンガクシなんぞ、
使用済みトイレットペーパー以下の価値しかあるめぇと思ってる
腐人にしてみりゃ、
そんなもんに紙やインクを使うなら、
これほどまで、読者を惹きつけ、影響を及ぼした作家である
氷室冴子さんの全集を出してくれ!!
と切に思うぞ。


あ、でもその場合には、
できれば初版版を底本でやって欲しい。

いくら時代とあわない表現があったとしても、
言葉が変われば、
あの文章がもっていた勢いが変わっちゃうと、
今回つくづく思ったもんで。

※今回はあえてそのままにされてたので、
 逆に腐人にとってはすごーくすごーくよかったんです。

 だって、”清らかなる椿姫”は、
 ディスコにいってもクラブには
 いって欲しくないの!!



どーでもいいんですが、
どうして今、これが刊行されたのか、
実はちょびっと気になっている・・・。

結構さけんだからなぁ、
「お姉さまたちの日々」の刊行。

・・・腐人は小心者なので、
刊行のきっかけは、
腐人の叫びだけじゃないと思いたい・・・。

だが、このブログで叫んだことが実現してるケース、
わりとあるんだよな・・・き、気のせいよね!


ま、それはさておいても!!

氷室冴子さん既読の方は、
ぜひもう一度あの楽しかった日々を思いだすために、
氷室冴子さん未読の方は、
このすばらしい才能に触れていただくために、

『月の輝く夜に』 氷室冴子
これ、読んで欲しいです。

で、ぜひ興味を覚えたら、
『クララ白書』『アグネス白書』
それから、
『なんて素敵にジャパネスク』
『銀の海 金の大地』

ぐらいは読んでほしいなぁ。

あ、個人的には『雑居時代』も好きです。


腐人は、若い頃に氷室冴子さんに出会えたのは、
本当に幸せだったと思ってます。

読書は楽しいということを、
腐人に教えてくれた作家さんでした。

本当に、本当にありがとうございました。

(788)一般本 『月の輝く夜に』 氷室冴子
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[ 2012/09/10 ] 作家論&読書 | TB(-) | CM(-)

石原理さんについて

このタイトルをみた腐人会メンバーおよび血族が
ゆーであろーことは推測に難くない。

「やると思った」


「むしろ、今頃?
 もっと早くやるんじゃねーかと思ってたよ」


「これ書くためにブログやったんデショ?」

ま、そんなとこだろう。

そう、腐人は、周囲にしられまくった
石原教信者であ~る


これ、カテゴリを「作家論」にしてんだけどさ。

腐人としては、作家論なんてもんは、
作家さんがお亡くなりになられてから
やるべきもんだと思ってるし、
それも、最低でも、没後10年を経過してからでないと
本当に客観的視点からは語れないと思っている。

ってことで、たぶんこれからも
ちょぼちょぼやりそーな気がする作家論だが、
これはあくまでも腐人の主観的意見ということを
ご了承くだされ。

って、これまでのものが、
主観的意見でなかったとでもゆーんかい!!

主観バリバリやろーがっ!!!

というご意見は、ごもっとも。
そのとーりでござんす。

んだから、ぐだぐだ言い訳書き連ねてるけど、
ま、いつもと同じ姿勢、視点で、
書かせていただくんで、
いつもと同じ生温かい姿勢、視点で、
お読みいただければとってもありがたいでございましゅ。


で。
冒頭に書いたが、腐人が作家論をするならば、
まず、いの一番にとりあげられておかしくないと、
自他ともに認める、石原理さん。

正直、なんでBL業界にいらっしゃるのか
不思議だなと思わんでもない、
独特の作風を誇っておられるのは、周知のとおり。

っても、他、どこでなら描けるかったら、
今はなき「ネムキ」ぐらいしか
許容できそうなとこ、思いつかんのですけどね・・・(^_^;)。

恐らく、類似するものを描く人は、
この先も現れないんではなかろーかと思っている。

そんな石原さんに腐人がホレたのは、
かなり古い。
10年愛なんてもんじゃきかない年月である。

といっても、浮気も散々した・・・いや、してるので、
まともに目をあわせられねぇんだが・・・(;一_一)。


まず大きなところから言わせてもらうと、
石原さんの作品の根っこには、
「家族(擬似家族含む)」という言葉が
眠っている気がする。

まぁ、BLというジャンル自体が、
法的に簡単に家族と認められる男女とは違い、
「(家族のように)一緒に在る」を実現するために
四苦八苦する話
と言ってしまえば、
石原さんの作品だけが、そういうわけではない
ってことになっちゃうのかもしれんが。

でも、それって主役二人の話であって、
石原さんの場合は、違うんだよなぁ。

ってなことを一番思うものは、
やっぱり『カリスマ』
そして、『少年は明日を殺す(以下、『少年』)

いや・・・でも『東京ブギィウーギィ』にも
『解体』にも、
『あふれそうなプール(以下、あふP)にも、
あげだしたらキリがないが、
どこか「家族」の影が見え隠れしている。

それはいろんな形をしているのだが、
理想としては、『少年』で、
藤枝母が言っていた台詞に凝縮されている気がする。
そうあって欲しいという石原さん自身の願望があるのかな。

反発としては、
『カプセル・ヨード・チンキ(以下、ヨーチン)
インディゴ・ブルー(上記、『少年』に収録)など。
こちらについても、石原さんの中に、
表現したい何かがあるのではなかろうかと思う。

ただ、これは近作ではなく、古いものにみられる特徴。
同人誌で発表していらしたオリジナル作品などでは、
その特徴が、さらに色濃くみられるものもある。

現在は、石原さんご自身の環境の変化が影響し、
近作では、それが変容していっている気がする。
ただ、これについては、
まだ途上なので、言及するのはやめておこう。


ところで。
BL読者のほとんどが、
石原さんときいて一番に連想するのは
ヤクザかもしれない。

BLでは大人気職業のヤクザだが、
見ただけで納得できるものを提供できている方としては、
腐人も、やっぱし、一番に石原さんが思いつく。

でも!ですなぁ・・・
信者の腐人としては、
それでくくられてしまうのはひっじょーに不満なんであーる

石原さんはー!ヤクザだけじゃないのよーっ!!!

『ヨーチン』『DUMPS』
『セルナンバー8』などなどにみられる近未来。

『やろうぜ』『少年』『君知るや』『あふP』
などなどにみられる思春期の少年。

あとは、オヤジやアメリカものが商業誌で入手できるが、
腐人のもってる同人なんかだと、
もっと幅広いンだってー!!!

中華だって、
近代イギリス(?)だって。
ファンタジーだって、あるんです!

すげぇぞ。
見てない人に、見せてやりたい!


そしてなによりも。
腐人は『38度線』
これはもっと評価されてもいいと思う。

昨夜も、発掘しながら、読みふけってしまい、
滂沱の涙・・・(T_T)。

昨夜は「砲声は遠い」が思いっきりツボになっちゃって、
もう・・・・・・・・・号泣・・・(ToT)。


個人的には、
『解体』を復刻して欲しいんですけどね。
書き下ろしつきで

もしくは、未収録作品を収録して。
第一希望は、「結婚」だ!

・・・ん?
作家論のはずが、単なるリクエストになってきたぞ??


軌道修正し、「マンガとしてどうか」
という話をさせてもらうと、
腐人は、常々言ってますが、
「全部描いてないものが好き」

そーゆー人には、たまらんマンガを描いてくれます。

マンガ技法で、腐人はすぐ、
くらもちさんを例にあげてしまうのだが、
うーん・・・ある意味、対極にいるかも。

くらもちさんは、徹底的にそぎ落としてる。

石原さんは、むしろものすごくたくさんの情報
(中には本筋と全く関係しない遊びも含む)が入っていて、
読むたびに、新しい発見がある。

印象的なコマがあるのも、特徴かな。

昨夜は、『38度線』の他、
タンブリングを観てて、
『少年は明日を殺す』を思い出したこともあり、
これも読み返してたんですが、
その中で、
「俺は時間を無駄にした
 俺は自分を無駄にした」

ってのがあるんですけど・・・
いやぁ・・・
これって、そうそう出るネームじゃないと思う。

そう、このひねったネームもまた愉しみなのだ。


近作ではそうでもないが、
『あふれそうなプール』では、
腐人は絵の視点が面白かった。

同人誌も出しておられたが、
もともと映像に深い興味がおありになるんだと思う。

おっ!この角度から描きますか!
ってなものが時折出現し、腐人を愉しませてくれる。

あかん・・・こういうの列挙始めたら、
明後日の晩ぐらいまで語ってしまう・・。

いいかげん、この辺でまとめよう。

・・・石原さん、愛してます!
 
 ↑
って、告白で終わるんかい!



一応、読書録として列挙。

●13日

(479-482)マンガ 『38度線』『少年は明日を殺す1~2巻』『怜々蒐集譚 2巻』 石原理


あー・・・でも結局、夏祭りの短編みつかんなかったなぁ・・・。
別の巣で保管してる、同人を探さないとでてこんな、あれは。
・・・しかし・・・
あの発掘始めたら、3日ぐらい根っこが生えそうだ・・・(-_-;)
[ 2010/07/14 ] 作家論&読書 | TB(-) | CM(-)

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